[4974] タカラバイオ の財務・株価分析レポート

タカラバイオの2025年03月期の営業利益は2,263百万円、営業利益率は5.0%と前年比740百万円減、営業利益率は1.9%pt減です。

過去の業績推移は?

以下は過去の営業利益・純利益と営業利益率の推移を示すグラフです

営業利益・純利益と営業利益率の推移グラフ

株価はどうなっている?

以下は過去の株価とPERの推移を示すグラフです。一般にPERはその企業の利益に対して、株価が割高なのか、それとも割安なのかを判断するための目安になります。

PER推移グラフ

事業内容は?

当企業集団は、試薬、機器、受託、遺伝子医療の各事業を展開し、バイオテクノロジーを利用した製品およびサービスを提供しています。

事業セグメント

  • 試薬・機器・受託: バイオテクノロジーを利用して研究、製品開発、検査事業等を行う大学、公的研究機関や企業、検査会社を主な顧客とし、製品およびサービスを提供。PCR/リアルタイムPCR、クローニング、遺伝子/タンパク質発現、次世代シーケンス、ゲノム編集などの技術を基盤に、DNA/RNA解析製品や幹細胞関連製品を展開。CDMO事業も展開し、再生医療等製品関連受託や遺伝子解析・検査関連受託サービスを提供。
  • 遺伝子医療: 遺伝子工学技術や細胞工学技術を応用し、バイオ創薬基盤技術の価値最大化を目指す。遺伝子治療薬やmRNAワクチンの製造補助剤の開発、製造、販売を行い、臨床開発プロジェクトも進行中。

セグメント別の業績は?

セグメント別利益の推移グラフ

事業の特徴・強み

  • バイオテクノロジーを基盤とした製品開発力と、研究支援から産業応用支援への事業領域拡大。CDMO事業における技術・ノウハウの活用。
  • 遺伝子治療や細胞医療の分野での技術開発力と、製造補助剤の開発・製造・販売における競争力。

今後の展開・方針

研究支援分野から産業応用支援分野への事業領域拡大を図り、再生医療等製品の製造受託や研究開発パートナーとしてのCDMO事業を強化。遺伝子医療分野では、遺伝子治療薬や製造補助剤の開発を進め、臨床開発プロジェクトを推進。

キャッシュフロー推移

以下は過去のキャッシュフローの推移を示すグラフです。

キャッシュフロー推移グラフ

どんなことに設備投資している?

過去から現在に至るまでの設備投資戦略は、生産能力および研究開発設備の増強、維持を目的としており、バイオ産業支援、遺伝子医療、医食品バイオ、試薬・機器、受託などの各事業において多岐にわたる設備投資を行ってきました。特に、次世代シーケンサー関連装置、ワクチン生産体制、遺伝子治療用ベクター量産プラント、デュアルユース製造設備などの重要な設備投資を通じて、事業の競争力と成長を支えています。

※過去の投資内容は下記のとおりです。

  • 2015-03-31 (4,762百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援事業、遺伝子医療事業、医食品バイオ事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。新動物実験施設建設、次世代シーケンサー関連装置、遺伝子・細胞プロセッシングセンター建設、新研究棟建設着工など。
  • 2016-03-31 (2,090百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援事業、遺伝子医療事業、医食品バイオ事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。次世代シーケンサー関連装置、本社移転に伴う新本社社屋および新本社ネットワーク設備など。
  • 2017-03-31 (1,648百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援、遺伝子医療、医食品バイオの各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。川崎市殿町地区ライフイノベーションセンター内細胞加工施設新設、遺伝子・細胞プロセッシングセンター内ウィルスベクター製造施設増設など。
  • 2018-03-31 (1,539百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援、遺伝子医療、医食品バイオの各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。次世代シーケンサー関連装置設置、大阪大学医学部附属病院内クリニカルシーケンスラボ設置など。
  • 2019-03-31 (6,002百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援、遺伝子医療、医食品バイオの各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。次世代シーケンサー関連装置設置工事、研究開発施設および再生医療等製品の製造施設の建設工事など。
  • 2020-03-31 (5,365百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援、遺伝子医療の各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。遺伝子・細胞プロセッシングセンター2号棟新設、ガスエンジンコージェネレーション関連設備新設など。
  • 2021-03-31 (8,897百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援、遺伝子医療の各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。ワクチン生産体制等緊急整備事業、DNAワクチン製造精製工程関連大型機器、Takara Bio USA, Inc.の新事業所用土地・建物および内装工事など。
  • 2022-03-31 (13,180百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: バイオ産業支援、遺伝子医療の各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。ワクチン生産体制等緊急整備事業、Takara Bio USA, Inc.の新事業所用建物の内装工事など。
  • 2023-03-31 (6,516百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: 試薬・機器、受託、遺伝子医療の各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。管理棟建設工事、遺伝子治療用ベクター量産プラント導入など。
  • 2024-03-31 (10,960百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: 試薬・機器、受託、遺伝子医療の各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。ワクチン関連およびCDMO事業等のデュアルユース製造設備建設工事、細胞加工施設関連工事など。
  • 2025-03-31 (10,106百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: 試薬・機器、受託、遺伝子医療の各事業における生産能力および研究開発設備の増強、維持。ワクチン関連およびCDMO事業等のデュアルユース製造設備建設工事など。

負債・純資産と自己資本比率の推移

以下は過去の負債・純資産と自己資本比率の推移を示すグラフです。自己資本比率とは、企業の総資産のうち、返済する必要のない「自己資本」がどのくらいの割合を占めているかを示す財務指標です。
簡単に言うと、その企業がどれだけ借金に頼らずに経営しているか、つまり財務の安全性がどれくらい高いかを表す指標となります。

負債・純資産と自己資本比率の推移グラフ

貸借対照表の比較図

以下は過去の貸借対照表の過去と現在を比較する図です。貸借対照表の比較図は、企業の財務状況の変化を時系列で把握するのに役立ちます。資産・負債・純資産の各項目が増減しているかを見ることで、会社の体力(安全性)が強まっているか、借金が増えてリスクが高まっているか、あるいは投資活動が活発かなどを一目で判断できます。これにより、単年度では見えない経営の傾向や潜在的な問題を読み解くことができます。

貸借対照表の比較図

純利益・配当推移

以下は過去の利益・配当の推移を示すグラフです。純利益・配当の推移グラフは、企業がどれだけ稼ぎ、その利益を株主にどれだけ還元しているかを示します。純利益の伸びと配当の増減を比較することで、企業の成長性、株主還元への姿勢、そして将来の投資に資金を回しているかなど、経営戦略を読み解くヒントが得られます。これにより、その企業が健全な成長をしているか、あるいは無理な配当をしていないかなどを判断できます。

利益・配当推移グラフ

純利益と配当性向の散布図

以下は過去の純利益と配当性向の散布図です。純利益と配当性向の散布図は、企業の稼ぐ力(純利益)と、その利益をどの程度株主に還元しているか(配当性向)の関係性を視覚的に示します。プロットされた各点が右上に位置するほど、純利益も配当性向も高いことを意味し、企業が成長しながら株主還元も積極的であることを示唆します。これにより、企業の利益創出力と株主還元のバランスを把握できます。

純利益と配当性向の散布図

棚卸資産と在庫回転率の推移

以下は過去の棚卸資産と在庫回転率の推移を示すグラフです。棚卸資産とは、企業が在庫として持っている商品や原材料などの資産のことです。在庫回転率とは、一定期間における棚卸資産の回転数を示す指標で、在庫の効率性を測るための指標です。在庫回転率が高いほど、在庫が効率的に回転していることを示し、在庫の滞留が少ないことを意味します。

棚卸資産と在庫回転率の推移グラフ