[5729] 日本精鉱 の財務・株価分析レポート

日本精鉱の2025年03月期の営業利益は3,598百万円、営業利益率は14.3%と前年比2,924百万円増、営業利益率は10.0%pt増です。

過去の業績推移は?

以下は過去の営業利益・純利益と営業利益率の推移を示すグラフです

営業利益・純利益と営業利益率の推移グラフ

株価はどうなっている?

以下は過去の株価とPERの推移を示すグラフです。一般にPERはその企業の利益に対して、株価が割高なのか、それとも割安なのかを判断するための目安になります。

PER推移グラフ

事業内容は?

当社グループは、アンチモン事業と金属粉末事業を中心に、その他不動産賃貸事業や高糖度トマト養液ハウス栽培事業を展開しています。

事業セグメント

  • アンチモン事業: 各種プラスチック材料に添加される難燃剤やポリエステルやアクリル系樹脂の触媒等に使用される三酸化アンチモン、ブレーキ材料として使用される三硫化アンチモン、耐熱性が求められる各種エンプラ系樹脂の難燃剤用アンチモン酸ソーダ等を製造、販売。販売は直接または代理店を通じて行われ、連結子会社の日テイ精礦(上海)商貿有限公司が中国市場での販売と原料調達を担当。
  • 金属粉末事業: 連結子会社の日本アトマイズ加工㈱が、電子部品用金属粉末(導電ペースト用の銅粉・貴金属粉やパワーインダクタ用軟磁性材としての鉄系合金粉等)、粉末冶金用金属粉末(精密モーター軸受用の青銅粉・黄銅粉・錫粉、自動車部品用の銅粉・青銅粉・黄銅粉等)を製造販売。取引先には金属粉末を使用する顧客もあり、子会社製品の一部は当社を通じて販売。
  • その他: 本社ビルの一部を賃貸する不動産賃貸事業や、高糖度トマト養液ハウス栽培事業を展開。

セグメント別の業績は?

セグメント別利益の推移グラフ

事業の特徴・強み

  • 多様なアンチモン製品の製造販売を通じて、幅広い用途に対応。中国市場での販売と原料調達を行う現地法人の存在。
  • 電子部品や自動車部品向けの金属粉末製造販売における専門性と、子会社を通じた製品供給体制。

今後の展開・方針

今後もアンチモン事業と金属粉末事業を中心に、既存の事業基盤を活かしつつ新たな市場開拓を目指します。

キャッシュフロー推移

以下は過去のキャッシュフローの推移を示すグラフです。

キャッシュフロー推移グラフ

どんなことに設備投資している?

過去10年間にわたり、当社グループは生産能力の増強を中心とした設備投資を継続的に行ってきました。特に、アンチモン事業と金属粉末事業において、生産設備の更新・拡充、作業環境の改善、品質保証体制の充実を目的とした投資が行われており、最新の技術導入やインフラ整備を通じて競争力の強化を図っています。

※過去の投資内容は下記のとおりです。

  • 2015-03-31 (268百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備の更新や拡充、製造作業環境改善設備、環境保全や安全管理関係への投資。金属粉末事業で野田工場とつくば工場の生産設備の拡充や更新。
  • 2016-03-31 (698百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で倉庫更新や新築、生産設備の更新や拡充、製造作業環境改善設備への投資。金属粉末事業でつくば工場の検査・分析室を備えた倉庫棟の建設、生産及び検査設備、野田工場の生産設備更新。
  • 2017-03-31 (355百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備の更新や拡充、製造作業環境改善設備への投資。金属粉末事業でつくば工場と野田本社工場の生産設備の拡充や更新。
  • 2018-03-31 (481百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備更新や拡充、製造作業環境改善設備・建物改築等への投資。金属粉末事業でつくば工場の生産設備の拡充、品質分析装置、野田本社工場の生産設備更新。
  • 2019-03-31 (467百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備の更新や拡充、製造作業環境改善設備への投資。金属粉末事業でつくば工場の生産設備の拡充、品質分析装置、野田本社工場の生産設備更新。
  • 2020-03-31 (443百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で新たな厚生棟「令和館」の建設、生産設備増強。金属粉末事業で野田本社工場の生産設備更新、つくば工場の生産設備増強。
  • 2021-03-31 (503百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備の更新や拡充、用水ポンプなどその他設備の更新。金属粉末事業でつくば工場棟の改修と分級室の増築、野田本社工場の生産設備および分析装置の更新。
  • 2022-03-31 (948百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備の更新・拡充、受電設備の更新、製造作業環境改善設備の導入。金属粉末事業で生産設備の更新・拡充、品質保証体制を充実させるための分析測定装置の導入・更新、作業環境安全対策。
  • 2023-03-31 (598百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備の更新・拡充、電気設備の更新、製造作業環境改善設備の導入。金属粉末事業で生産設備の新設・更新・拡充や増築に向けたインフラ整備。
  • 2024-03-31 (1,566百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で設備保全場等の更新、その他生産設備の更新・拡充。金属粉末事業でつくば工場でのメタル系パワーインダクタ向け鉄系合金粉の生産能力増強に向けた建屋の増築及び生産ライン増設関連、その他生産設備の新設・更新・拡充。
  • 2025-03-31 (340百万円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: アンチモン事業で生産設備や分析測定装置の更新・拡充、作業環境改善設備の導入。金属粉末事業で生産設備の更新・拡充、品質管理充実のための分析測定装置の導入、作業環境改善対策。

負債・純資産と自己資本比率の推移

以下は過去の負債・純資産と自己資本比率の推移を示すグラフです。自己資本比率とは、企業の総資産のうち、返済する必要のない「自己資本」がどのくらいの割合を占めているかを示す財務指標です。
簡単に言うと、その企業がどれだけ借金に頼らずに経営しているか、つまり財務の安全性がどれくらい高いかを表す指標となります。

負債・純資産と自己資本比率の推移グラフ

貸借対照表の比較図

以下は過去の貸借対照表の過去と現在を比較する図です。貸借対照表の比較図は、企業の財務状況の変化を時系列で把握するのに役立ちます。資産・負債・純資産の各項目が増減しているかを見ることで、会社の体力(安全性)が強まっているか、借金が増えてリスクが高まっているか、あるいは投資活動が活発かなどを一目で判断できます。これにより、単年度では見えない経営の傾向や潜在的な問題を読み解くことができます。

貸借対照表の比較図

純利益・配当推移

以下は過去の利益・配当の推移を示すグラフです。純利益・配当の推移グラフは、企業がどれだけ稼ぎ、その利益を株主にどれだけ還元しているかを示します。純利益の伸びと配当の増減を比較することで、企業の成長性、株主還元への姿勢、そして将来の投資に資金を回しているかなど、経営戦略を読み解くヒントが得られます。これにより、その企業が健全な成長をしているか、あるいは無理な配当をしていないかなどを判断できます。

利益・配当推移グラフ

純利益と配当性向の散布図

以下は過去の純利益と配当性向の散布図です。純利益と配当性向の散布図は、企業の稼ぐ力(純利益)と、その利益をどの程度株主に還元しているか(配当性向)の関係性を視覚的に示します。プロットされた各点が右上に位置するほど、純利益も配当性向も高いことを意味し、企業が成長しながら株主還元も積極的であることを示唆します。これにより、企業の利益創出力と株主還元のバランスを把握できます。

純利益と配当性向の散布図

棚卸資産と在庫回転率の推移

以下は過去の棚卸資産と在庫回転率の推移を示すグラフです。棚卸資産とは、企業が在庫として持っている商品や原材料などの資産のことです。在庫回転率とは、一定期間における棚卸資産の回転数を示す指標で、在庫の効率性を測るための指標です。在庫回転率が高いほど、在庫が効率的に回転していることを示し、在庫の滞留が少ないことを意味します。

棚卸資産と在庫回転率の推移グラフ