[4570] 免疫生物研究所 の財務・株価分析レポート

免疫生物研究所の2025年03月期の営業利益は209百万円、営業利益率は21.6%と前年比105百万円増、営業利益率は8.8%pt増です。

過去の業績推移は?

以下は過去の営業利益・純利益と営業利益率の推移を示すグラフです

営業利益・純利益と営業利益率の推移グラフ

株価はどうなっている?

以下は過去の株価とPERの推移を示すグラフです。一般にPERはその企業の利益に対して、株価が割高なのか、それとも割安なのかを判断するための目安になります。

PER推移グラフ

事業内容は?

当社グループは、株式会社免疫生物研究所及びその連結子会社2社で構成され、抗体関連事業と化粧品関連事業を展開しています。

事業セグメント

  • 抗体関連事業: 診断試薬サービス、検査サービス、TGカイコサービスを提供。診断試薬サービスでは、研究用試薬、体外診断用医薬品の製造・販売を行い、医薬シーズライセンス導出事業も展開。検査サービスでは、LipoSEARCH®を中核にリポタンパク質プロファイリング詳細解析サービスを提供。TGカイコサービスでは、カイコの繭を利用したタンパク質や抗体の大量生産技術を活用した受託サービスを提供。
  • 化粧品関連事業: 遺伝子組換えカイコサービスで開発した化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅠ」を配合した化粧品の製品開発・販売を行う。

セグメント別の業績は?

セグメント別利益の推移グラフ

事業の特徴・強み

  • 抗体作製に関する技術力の高さを強みとし、公的研究機関、大学、製薬企業に対して抗体の作製、精製、標識、細胞培養によるタンパク質製造などの受託サービスを提供。
  • LipoSEARCH®による高感度ゲルろ過高速液体クロマトグラフィーを用いた血中リポタンパク質詳細プロファイリングサービスを提供し、専門研究機関や製薬企業に広く利用されている。
  • TGカイコサービスにより、遺伝子組換えカイコを用いて安全性の高いXeno-free製品を提供。

今後の展開・方針

体外診断用医薬品の開発を進め、国内外での登録を視野に入れた展開を計画。AI Bioを子会社化し、SFTSウイルスに対する抗体遺伝子配列を治療薬目的で使用する契約を締結。化粧品原料「ネオシルク®-ヒト型コラーゲンⅢ」の産生効率向上を図る。

キャッシュフロー推移

以下は過去のキャッシュフローの推移を示すグラフです。

キャッシュフロー推移グラフ

どんなことに設備投資している?

過去から現在に至るまで、設備投資は新規事業の立ち上げや生産能力の増強を中心に行われてきました。特に遺伝子組換えカイコ事業のパイロットプラント建設や抗体関連事業における製造関連機器の取得が目立ちます。近年では環境対応として太陽光発電関連機器の導入も行われていますが、設備投資が行われない年もあり、合理化が図られていることが伺えます。

※過去の投資内容は下記のとおりです。

  • 2015-03-31 (27,075千円)
    目的: 新規事業
    詳細: 診断・試薬事業の研究用分析装置等の新規取得、遺伝子組換えカイコ事業の計測機器類の新規取得、検査事業の研究開発関連の機器類の増設、化粧品関連事業の情報処理機器関連の取得
  • 2016-03-31 (707,404千円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: 診断・試薬事業の研究用分析装置等の新規取得、遺伝子組換えカイコ事業のパイロットプラント(前橋研究所)の建設、検査事業の研究開発関連の機器類の増設、化粧品関連事業のアンテナショップの設備関連の取得
  • 2017-03-31 (387,516千円)
    目的: 設備更新
    詳細: 診断・試薬事業の製造・研究設備の更新、遺伝子組換えカイコ事業のパイロットプラント(前橋研究所)の開設、検査事業の研究開発関連の機器類の増設
  • 2018-03-31 (0千円)
    目的: 合理化
    詳細: 設備投資はありません
  • 2019-03-31 (0千円)
    目的: 合理化
    詳細: 設備投資はありません
  • 2020-03-31 (0千円)
    目的: 合理化
    詳細: 設備投資はありません
  • 2021-03-31 (13,460千円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: 藤岡研究所における事業用敷地の取得
  • 2022-03-31 (0千円)
    目的: 合理化
    詳細: 設備投資はありません
  • 2023-03-31 (0千円)
    目的: 合理化
    詳細: 設備投資はありません
  • 2024-03-31 (22,958千円)
    目的: 生産能力増強
    詳細: 藤岡研究所における製造関連機器・サーバー機器等(抗体関連事業)の取得
  • 2025-03-31 (70,259千円)
    目的: 環境対応
    詳細: 藤岡研究所の太陽光発電関連機器等、製造関連機器等(抗体関連事業)、前橋研究所の製造関連機器等(抗体関連事業)の取得

負債・純資産と自己資本比率の推移

以下は過去の負債・純資産と自己資本比率の推移を示すグラフです。自己資本比率とは、企業の総資産のうち、返済する必要のない「自己資本」がどのくらいの割合を占めているかを示す財務指標です。
簡単に言うと、その企業がどれだけ借金に頼らずに経営しているか、つまり財務の安全性がどれくらい高いかを表す指標となります。

負債・純資産と自己資本比率の推移グラフ

貸借対照表の比較図

以下は過去の貸借対照表の過去と現在を比較する図です。貸借対照表の比較図は、企業の財務状況の変化を時系列で把握するのに役立ちます。資産・負債・純資産の各項目が増減しているかを見ることで、会社の体力(安全性)が強まっているか、借金が増えてリスクが高まっているか、あるいは投資活動が活発かなどを一目で判断できます。これにより、単年度では見えない経営の傾向や潜在的な問題を読み解くことができます。

貸借対照表の比較図

純利益・配当推移

以下は過去の利益・配当の推移を示すグラフです。純利益・配当の推移グラフは、企業がどれだけ稼ぎ、その利益を株主にどれだけ還元しているかを示します。純利益の伸びと配当の増減を比較することで、企業の成長性、株主還元への姿勢、そして将来の投資に資金を回しているかなど、経営戦略を読み解くヒントが得られます。これにより、その企業が健全な成長をしているか、あるいは無理な配当をしていないかなどを判断できます。

利益・配当推移グラフ

純利益と配当性向の散布図

以下は過去の純利益と配当性向の散布図です。純利益と配当性向の散布図は、企業の稼ぐ力(純利益)と、その利益をどの程度株主に還元しているか(配当性向)の関係性を視覚的に示します。プロットされた各点が右上に位置するほど、純利益も配当性向も高いことを意味し、企業が成長しながら株主還元も積極的であることを示唆します。これにより、企業の利益創出力と株主還元のバランスを把握できます。

純利益と配当性向の散布図

棚卸資産と在庫回転率の推移

以下は過去の棚卸資産と在庫回転率の推移を示すグラフです。棚卸資産とは、企業が在庫として持っている商品や原材料などの資産のことです。在庫回転率とは、一定期間における棚卸資産の回転数を示す指標で、在庫の効率性を測るための指標です。在庫回転率が高いほど、在庫が効率的に回転していることを示し、在庫の滞留が少ないことを意味します。

棚卸資産と在庫回転率の推移グラフ